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フリ転編集部 黒子

Webライター兼Webディレクター。新聞記者を経て、HR領域のWebメディアのディレクションに15年以上携わる。現在は副業としてさまざまなWebメディアのライティング、及びディレクションに関わる

今回は、フリーランスとして独立したい、またフリーランスの駆け出しという方向けに、フリーランスの実績をまとめるポートフォリオの必要性や記載のポイント、作成に便利なツールについてお伝えします。

フリーランスとして活動するにあたって欠かせないポートフォリオ。履歴書であり、営業資料でもあるので、案件獲得につながるものにすることがポイントです。ほかのフリーランスと比較されることを想定して、実績や信頼感をしっかりアピールできるものを作りましょう。

目次

仕事がくるポートフォリオは商談相手に即した営業資料

ポートフォリオは、クライアントから「この人に仕事を依頼しよう」と思ってもらうための営業資料なので、ただやみくもに実績を載せるだけでは不十分です。どういった場面で、誰に見せるものなのかを考えて作成しましょう。そして、ポートフォリオの1番の目的は案件獲得につなげること。自分がアピールしたいスキルや、もっとも成果につながった案件など、戦略的に作成する必要があります。具体的な書き方や書くべき内容は後述しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

履歴書・営業資料としてのポートフォリオの役割

案件を獲得するためには、フリーランスとしての信頼感や実績を伝える必要があります。新規でフリーランスに業務を依頼しようとするクライアントは、その人がどんな人なのか、どんな実績があるのかという情報を元に判断します。そのため、ポートフォリオは履歴書であり、営業資料としても活用できるものにしましょう。

新しい顧客の開拓ツール

クライアントが仕事を依頼しようとする際は、複数のフリーランスを比較検討することが多いでしょう。その判断材料となるのがポートフォリオです。ほかの人と比較されることを念頭に、これまでの実績や得意なこと、単価などがしっかり伝わるような内容にすることが大切です。新しい顧客がしっかり開拓できるものにしましょう。

ブランドの確立ツール

自分のブランドを確立することもポートフォリオの役割です。たとえばデザイナーであれば、得意なデザインのトーンや扱う商材のジャンルなどを分かりやすくまとめましょう。そうすることで、ほかのフリーランスと異なる自分のポジションを明確にすることができます。クライアントも業務を依頼しやすくなるでしょう。

CHECK

・ポートフォリオはフリーランスの新規案件獲得のために欠かせないツール
・履歴書、かつ営業資料として活用できる内容にするのがポイント
・ほかのフリーランスと比較されることを念頭に、自分のブランディングする

フリーランス 実績・ポートフォリオに記載する項目

履歴書と営業資料を兼ねたポートフォリオにするために記載すべき項目をお伝えします。ポートフォリオ全体を通して意識したいのは、フリーランスとしての信頼感を伝えることと、得意領域や具体的に依頼できる業務内容を明確にすることです。項目ごとの注意点を参考にしながら作成してください。

プロフィールは何がどこでできる人かを端的に

ポートフォリオには自己紹介の役割もあるので、まずはプロフィールを書きましょう。項目は以下を参考にしてください。

  • 顔写真
  • 氏名
  • 年齢
  • 出身地や活動拠点
  • 経歴
  • 連絡先
  • HPやSNSなどのURL

スキルは得意領域に絞り必要最低限に

保有しているスキルや使用できるツールは得意領域に絞って書きましょう。持っている資格などをやみくもに記載すると、逆に何ができる人なのかが分かりにくくなり、クライアントが仕事を依頼しにくくなってしまいます。クライアントは、依頼したい業務に対してピンポイントでスキルを持っている人を求めています。業務の種類ごとにポートフォリオを分けて用意するなど、1つのポートフォリオ内では、「これができる人」と分かるものを意識しましょう。

実績は成果や制作・必要期間を定量的に

ポートフォリオに欠かせないのが実績です。こちらもやってきた仕事を網羅的に書くのではなく、領域を絞ってまとめましょう。またクライアントが気にするのが、かかわった仕事の成果と、その業務にかけた期間です。この2点は案件ごとに定量的に記載してください。

対応可能なサービスやコスト感を明瞭に

どんなサービスを、どれぐらいの費用で対応できるのかを明確に記載しましょう。コストを明記しておくことで、クライアントが業務を依頼するかどうか判断しやすくなります。加えて、費用にまつわる後々のトラブルを防ぐことにもつながります。

ポートフォリオには必ず出典元を明確に

自分が制作したものだったとしても、すでに一般に公開されているものは出典元の記載が必要です。この後、クライアントへの許諾や著作権について詳しくお伝えしますが、出典元を明記することで許可がいらないとされていますので、トラブルを避けるためにも出典元はしっかり記載しましょう。

CHECK

・ポートフォリオには、プロフィール、スキル、実績をまとめる
・スキルは得意領域に絞り、「何ができる人なのか」を明確にする
・実績は成果や必要期間と合わせて、コストや出典元も明記する

クライアントワークのポートフォリオに許諾は必須

過去の実績としてクライアントワークの制作物を記載する場合、必ず許可を取りましょう。案件によってクライアントが非公開としていることもあります。無許可で掲載した場合、著作権違反などのトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。

自主制作はポートフォリオに載せてよい

たとえば学生時代の卒業制作、趣味で作った作品、サンプルとして取り組んだものなど、自主的に制作したものは当然ながら許諾なしで掲載してOKです。フリーランスとしての実績が少ない場合は自主制作のものを載せてアピールしましょう。

未公開の作品はポートフォリオには載せない

クライアントワークで取り組み、まだ納品していないものやクライアントがまだ公開していないものはポートフォリオには載せないようにしましょう。著作権の確認ができないことや、納品後に何らかの事情で公開しないようなケースもあります。無用なトラブルを避けるためにも、公開済みで許諾が取れているものを掲載しましょう。

過去に受注した案件や前職の業務には確認が必要

クライアントから依頼を受けたものは基本的には許諾が取れれば掲載してOKですが、前職の業務で制作したものも同様です。当時は自社の仕事として制作したものであっても、現在はフリーランスとしてその会社を離れているので、ポートフォリオに掲載する場合はきちんと確認しましょう。

二次創作にも著作権の存在には注意が必要

既存の創作物を元に、二次的に作品を制作する場合があります。そういった二次創作の場合も著作権が存在するケースがあるので注意が必要です。元の作品の作者のHPなどを確認して、著作権の対応を確認しましょう。

著作権と守秘義務の理解・重視する姿勢は受注に関わる

フリーランスとして著作権や守秘義務を理解して重視することは、クライアントからの信頼感の向上にもつながります。案件を依頼する立場としては、情報管理をしっかりしてくれる人、誠実に仕事に取り組んでくれる人に依頼したいと考えるでしょう。ポートフォリオを通して、著作権や守秘義務への理解を伝えることができるので、ここも含めてアピールしてください。

CHECK

・クライアントワークをポートフォリオに掲載する場合、許諾は必須
・許諾なしで掲載した場合、著作権違反などのトラブルになりかねないので注意が必要
・著作権や守秘義務に対する姿勢は信頼感のアピールにもなる

デザインポートフォリオ作成サービスの選び方

ポートフォリオ作成サービスとしてさまざまなものが提供されています。ポートフォリオ作成サービスの選び方と、具体的なサービスを紹介します。自分でゼロから作成するよりも効率的に、見やすいものができるのでぜひ活用してください。

立ち上げや更新作業でつまずかない、分かりやすいUIである

まず第1に、使いやすいものを選ぶことが大切です。ポートフォリオは1度作成した後も、常に更新していくものです。ポートフォリオ作成サービスは、直感的に分かりやすいUIであること、更新もしやすいものがおすすめです。

ファイル添付や外部リンク対応など記述の自由度が高いものである

作品の画像ファイルや制作したサイトのURLがそのまま添付できるものがおすすめです。クライアントにアピールしたい作品を、1つのサイトにまとめることも重要です。自由度高く、ファイル添付などができるものを選んでください。

デザインが洗練されていて魅力的である

デザイン性も重要です。特にデザイナーなどクリエイティブ職種の場合、ポートフォリオサイトのデザイン性が案件獲得に影響することもあります。デザインをカスタマイズする必要がないような、洗練されたデザインのサービスがおすすめです。

フリーランス向けおすすめポートフォリオ作成サービス

ポートフォリオの作成には、ポートフォリオ作成に特化したサービスを使う場合と、サイト作成を目的としたサービスを活用する場合があります。それぞれおすすめのサービスをご紹介しますので、ぜひ自分に合ったものを選んでポートフォリオを作成してみてください。

ポートフォリオ作成サービスの活用

まずはポートフォリオ作成に特化したサービスです。コーディングの知識がなくても作れるもの、デザインが洗練されたもの、サービス上にポートフォリオを掲載することで仕事のオファーにつながるものなど、それぞれ特徴があります。

foriio

クリエイター向けのポートフォリオ作成ツール。PSD、PDF、AI、TIFF、WEBPに対応していて、データをアップすると自動で画像に変換されます。作品ごとに「制作ノート」が用意されていて、制作過程や思いをつづることができます。(https://www.foriio.com/

BRIK PORTFOLIO

クリエイター向けメディア「BRIK」が運営するデザインポートフォリオ作成ツール。デザイン性が高いので、コーディングの知識が浅い人でも洗練されたポートフォリオが作れます。また、

BRIK PORTFOLIOにポートフォリオを公開することで、求人サイト「BRIK JOB」経由で企業からのオファーが届くことも。案件獲得にも活用できるツールです。(https://brik.co.jp/

Behance 

PhotoshopやIllustratorなどを開発・販売するアドビが運営するクリエイター向けSNS。デザインや写真、動画などの作品ファイルをアップロードすることでポートフォリオが作成できます。アドビツールと連携もできるので、手軽に公開できます。海外の利用者も多いので、海外向けにアピールしたい人にもおすすめです。(https://www.behance.net/

portfoliobox

スウェーデン発の、写真や映像などに特化したポートフォリオ作成ツール。テンプレートのデザインが洗練されていることが特徴。テンプレートの数も多く、世界165カ国に利用者がいます。デザインのクオリティにこだわりたい人には特におすすめです。(https://www.portfoliobox.net/jp/

dribbble

2009年にアメリカで生まれた、世界中のデザイナーが集うデザイナーのためのSNS。ポートフォリオとして制作物を投稿するほか、自分の作品についてフィードバックをもらう、作品について意見交換をするという活用の仕方もあります。交流を通してデザイナーとして成長したい人にもおすすめです。(https://dribbble.com/

format 

HTMLやCSSのコーディングスキルがなくても、Webサイトやデザインポートフォリオが制作できるサービス。初心者向け、経験者向け、プロ向けに分けられたフォーマットがあり、サイト制作スキルのレベルに合わせて選べます。初心者も取り組みやすいサービスです。(https://www.format.com/)

salon.io

画像をドラッグ&ドロップするだけでおしゃれなデザインポートフォリオが作れるサービスサイト。YouTubeやVimeo、SoundCloudの組み込みも簡単にできるので、CGやアニメーション、映像制作クリエイターにもおすすめです。(https://salon.io/

Bento 

ベルリンを拠点にする会社が提供するポートフォリオ作成サービス。作品の画像や文章、URLなどを、ウィジェットを組み合わせる感覚で直感的に配置できるのが特徴です。デザイン性も高いので、手軽に作品を見てもらいたい人におすすめです。(https://bento.me/)

サイト作成サービスの活用

ポートフォリオ作成に活用できるサイト作成サービスです。ポートフォリオ作成サービスとは違い、もともとWebサイト作成を目的にしたサービスなので、HTMLやCSSなどの多少の知識は必要になりますが、その分、自由度やデザイン性が高い、オリジナルなポートフォリオを作成できます。

WordPress

Webサイト制作ツールとして世界中で有名なWordPress。HTMLやCSSの知識があればオリジナルのデザインでサイト制作ができます。更新作業などは比較的しやすいので、初めてサイトでポートフォリオを作るという人にもおすすめです。(https://ja.wordpress.org/)

STUDIO

HTMLやCSSの知識がなくてもWebサイトが作成できるノーコードツール。フォントやデザインエディタも豊富で、ノーコードツールでありながら白紙の状態からサイトが作成できるので、こだわったデザインのサイトを作ることができます。分析機能もあるので、数値を見ながらサイト改善もしていけます。(https://studio.design/ja)

Wix

クラウドベースのホームページ作成ツールです。高度なデザイン機能と最新のAI技術が搭載されていて、自由にサイト作成ができます。HTMLのテンプレートは900種類以上あり、利用者は世界中にいます。HTMLやCSSの知識がなくても直感的に動かせるUIなので初心者にもおすすめです。(https://ja.wix.com/)

Striking.ly

多くのクリエイターや起業家に支持されているWebサイト制作ツール。Webサイトを直接クリックして編集でき、すぐに公開可能。HTMLやデザインの知識・経験がなくても作成できます。簡単なものであれば30分ほどで公開できることも。手軽に始めたい人におすすめです。(https://jp.strikingly.com/)

定期的に売上への貢献度を確認しポートフォリオを更新する

ポートフォリオは1度作成して終わりではなく、定期的に更新することが重要です。更新が止まっていると、フリーランスとしての活動も停止していると思われる可能性もあります。

更新の際は、スキルや実績のアップデートと合わせて、今のポートフォリオが売上に貢献しているかをしっかり確認してください。もし売上につながっていないのであれば、単に実績を更新するのではなく、内容全体を見直す必要や、使っているツールを変更するなどの対応が必要です。

せっかく作るポートフォリオなので、定期的に見直しをして案件獲得につなげていきましょう。

CHECK

・ポートフォリオは常に更新し続けることが大切
・更新が止まっていると、活動していないと思われる可能性もある
・更新の際はスキルや実績のアップデートと合わせて、売上に貢献しているかしっかり確認

フリーランスがポートフォリオを作成する1番の目的は案件獲得につなげることです。単なる作品集にするのではなく、得意領域の実績、コスト感、著作権への配慮などを漏れなく記載して信頼感を高めてください。そしてポートフォリオは定期的に更新して、継続的に案件獲得ができる状態を目指してください。

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