フリーランスが直案件を獲得する営業手法。案件獲得のチャネルの種類や直営業までのステップを解説
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フリ転編集部 黒子

Webライター兼Webディレクター。新聞記者を経て、HR領域のWebメディアのディレクションに15年以上携わる。現在は副業としてさまざまなWebメディアのライティング、及びディレクションに関わる

「フリーランスとして独立したいけど、どうやって案件獲得をすればいいか分からない」「営業経験がないので、案件獲得に自信がない」「すでにフリーランスとして活動していて、案件紹介サービス経由で業務を受けている。今後、直案件に切り替えたいけど、やり方が分からない」。こんなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。今回は、フリーランスの方が案件獲得をするための方法をお伝えします。

直営業以外にもフリーランスの案件獲得の方法はさまざまありますが、中でも直案件の獲得を強くおすすめします。直案件を受け続けるためのポイントを知り、フリーランスとして継続的に活躍していきましょう。

フリーランスの案件獲得は直営業・直案件が理想的

フリーランスの案件獲得は「直営業・直案件」が理想的です。フリーランス向けの案件紹介サービスはたくさんありますが、その場合マージンを除いた分が本人の収入となります。直営業・直案件であれば、契約した金額がそのまま入ってくるので、収入面を考えると「直営業・直案件」が理想的です。

とはいえ、これまで営業経験がなく、営業が苦手な場合、自分で案件獲得をするのは難しいと考える方も多いはず。しかし直案件の獲得は、新規に営業をかけて獲得をする方法だけではありません。たとえば知人の紹介、リピートやアップセルなどもあります。これらは営業経験の豊富さや、得意・不得意にかかわらずできること。手順を踏めば案件獲得につながるので、この後お伝えする内容に沿って進めてみてくださいね。

フリーランスの案件獲得のアプローチ方法

では、ここからフリーランスの案件獲得の具体的なアプローチ方法をお伝えしていきます。自分にできそうなものからぜひ取り組んでみてくださいね。

ブログやSNSで情報発信をする

1つ目は、ブログやSNSで情報発信をする方法です。自分のアカウントで、対応可能な業務内容や得意領域、また過去の実績などをアピールしましょう。ただし、ブログやSNSは発注者から必ず見てもらえるわけではないので、こまめに更新し、検索されやすいキーワードを意識するなど、見つけてもらえるように工夫が必要です。

営業メールでアプローチする

次は、発注者に直接メールを送ってアプローチする方法です。自分が受けられそうな案件を探して、企業HPの問い合わせなどからメールを送ります。案件を探す時間がある程度かかることや、問い合わせからのメールは反応率が低いため、数をこなす必要があるでしょう。

求人サイトからアプローチをする

続いて、求人サイトに掲載している企業にアプローチする方法です。求人を掲載しているということはそのポジションの人材を探しているということ。正社員採用の求人サイトであっても、業務委託の契約が取れる可能性もあるので、企業HPなどからアプローチしてみましょう。

勤めていた会社に連絡をする

次にお伝えするのは、勤めていた会社に連絡をする方法です。勤めていた会社であれば、つながりもあるので、業務を依頼してほしいという相談もしやすいでしょう。ただし、必ずしも自分が対応できる業務があるとは限らないので、社内状況などを確認のうえ連絡してみましょう。

知人・友人に相談する

知人・友人に相談する方法もあります。現在フリーランスとしてこんな業務を受けている、というような近況報告も兼ねて、依頼してもらえそうな案件があれば連絡してほしいと伝えてみましょう。

交流会・セミナーに参加する

続いて、交流会・セミナーに参加する方法です。フリーランスの交流会や、職種ごとのセミナーなどでのつながりが案件獲得に結びつくことがあります。交流やインプットを目的としたものが多いので、必ず案件獲得できるというわけではありませんが、同じような状況の人たちとの縁が案件獲得につながることもあるので、積極的に参加してみましょう。

クラウドソーシングやエージェントを活用する

最後は、クラウドソーシングやエージェントを活用する方法です。こちらは直案件ではありませんが、これらをきっかけにリピートやアップセルが受注できる可能性もあります。次の章で具体的なサービスをいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。

CHECK

フリーランスの案件獲得は収入面を考えると、直営業・直案件が理想的
直案件の獲得方法には、営業経験がなかったり、営業が苦手でもできるものがある
自分に合っているものから取り組んでみるのがおすすめ

経験・実績を積むためにも積極的に活用したいサービス

直案件を獲得したものの、まだ実績がないという方におすすめしたいのが、フリーランス案件のマッチングサービスです。これらは各サービス会社を経由するためマージンが発生しますが、これから直案件を獲得していくための実績づくりができます。いくつか併用するのもOKなので、各サービスの特徴を踏まえて利用してみてくださいね。ここで受けた案件をきっかけにリピートやアップセルを依頼されることもあるので、ぜひ積極的に活用してみてください。

クラウドソーシングサービスの利用

クラウドソーシングサービスについて、「単価が低い案件が多いのでは…」「案件の質があまりよくないのでは…」というような印象を持っている方もいるかもしれません。しかし、まずは経験を積んでポートフォリオに記載できる実績を増やし、スキルを磨いていくためにはおすすめのサービスです。

CrowdWorks(クラウドワークス)

クラウドワークスは、480万人が登録する業界ナンバーワンのクラウドソーシングサービスです。利用企業も大企業・政府をはじめ全国78万社以上。ホームページ作成・サイト構築、ロゴ作成、記事制作・ライティング、ソフトウェア・アプリ開発、データ入力など、作業系の業務から専門スキルが必要なものまで250種類以上の仕事があります。

Lancers(ランサーズ)

ランサーズは、日本初のクラウドソーシングサイトとして2008年にスタート。エンジニア、デザイナー、ライターなどのクリエイティブ職種、営業、企画、コンサルタント、リサーチャー、広報、経理、人事などのビジネス専門職、入力代行、アンケート回答、口コミ作成などの作業関連の職種まで、350種類以上の幅広い仕事があります。

coconala(ココナラ)

ココナラは、ビジネスからプライベート利用まで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。イラスト・漫画制作や占い・悩み相談など、得意なスキルが活かせる案件が多いのも特徴です。このほか、WEBサイト制作・デザイン、マーケティングなどの案件もあります。

フリーランスエージェントサービスの活用

Workship(ワークシップ)

デザイナー案件が多いワークシップ。幅広い職種&働き方がかなう、フリーランス・副業人材専門の求人・案件検索プラットフォームです。登録者は50,900人、登録企業は1,200社、案件は2,900件にのぼります。エージェントサービスとプラットフォームサービスの両方の機能があり、デジタル領域を中心に、デザイナー、エンジニア、マーケター、編集者、人事、広報などさまざまな職種の案件があります。

Midworks

エンド/Slerのエンジニア案件が中心のMidworksは、IT系フリーランスエンジニア専門のエージェントサービスです。エンド/Sler直案件が全体の約70%を占めていて、利用者の平均年収は840万円以上。年収アップの事例も多いのが特徴です。公開案件は10,000件以上。また非公開の案件が全体案件数の80%を占めています。エンジニア案件のほか、WEBデザイナーやWEBディレクターの案件も紹介可能です。

ATTENTION

Midworks

レバテックフリーランス

国内最大級フリーランスエージェントのレバテックフリーランスは、IT・Web系のフリーランスエンジニアを支援するエージェントサービスです。取引社は10,000社以上、契約の更新率は93%です。案件の多くは大手企業から直接受けているため業界トップクラスの高単価が実現できています。ITコンサルタントから、インフラ、データエンジニアなど、エンジニア求人に特化しています。

ITプロパートナーズ

エンジニア職種が中心ながら、デザイナーやマーケターの案件も取り扱っているITプロパートナーズ。IT起業家・フリーランスの自立を支える仕事の紹介サービスです。利用企業数2,000社以上で、スタートアップ、ベンチャーの案件が多いのが特徴。週2~3日の案件数はフリーランスエージェントの中でも随一です。間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約しているため高単価な案件が多くなっています。

フリーランスが直案件を獲得するまでのロードマップ

前章でフリーランス案件のマッチングサービスをご紹介しましたが、ここからあらためて直案件を獲得するまでのロードマップをお伝えします。最初の1歩から、継続的に案件を受けるための方法までまとめていますので、ぜひ以下の流れに沿って直案件の獲得に向けて動き出してみてください。

自分が提供できる価値の棚卸しをする

まず初めに取り組んでいただきたいのが「自分が提供できる価値」の棚卸しです。ここが明確でないと、企業への売り込みもできませんし、自分で案件を探す際もどんな案件に応募すればいいか分からない状態になってしまいます。これまでやってきたことを振り返って身に着いたスキルを整理し、フリーランスとして活躍するために新たに学んだ知識やスキルがあればそれらを言語化しながら、自分は何が提供できるのか棚卸しをしてみましょう。

自分にとっては当たり前と思うようなスキルも、市場や企業からすると価値が高いというケースもあります。持っている知識やスキルを漏れなく、ていねいに洗い出していきましょう。

ポートフォリオを整理・作成する

次はポートフォリオの作成です。ポートフォリオとは、これまでの実績や制作物、かかわったWEBサイトなどをまとめた資料のこと。特にデザイナーなどクリエイティブ領域のフリーランスには欠かせないものです。作成のポイントは「技術力・スキルが分かる」「制作物へのこだわりが伝わる」「どんな成果が出せるか分かる」という3点。以下の動画でポートフォリオの作り方やポイントを詳しく解説していますので、こちらも参考にしながら案件獲得につながるポートフォリオを作成してください。

即受注・採用 ポートフォリオ完全攻略

クラウドソーシングやエージェントを経由して案件に応募する

自分が提供できる価値が整理できて、ポートフォリオが完成したら、次は実績づくりを進めましょう。最初から直案件を獲得するのはなかなか難しいので、クラウドソーシングやエージェント経由で案件に応募してみましょう。サービスごとに、案件の多い職種や業界など特徴があるので、自分にマッチしたものを利用してみてください。また、ひとつのサービスだけではなかなか決まらないケースもあるので、複数のサービスを利用するのがおすすめです。具体的なマッチングサービスは前章(「経験・実績を積む意味でも積極的に活用したいサービス」)を参考にしてみてください。

サービス経由で多様なジャンルの企業案件で実績を積む

フリーランス案件のマッチングサービス経由では、ぜひ多様なジャンルの企業案件を受けて実績を積んでください。得意な領域はもちろん、これまで取り組んだことのない業務でも、自分の知識やスキルを活かせるものがあればぜひチャレンジしてみてください。少しずつ幅を広げて、いろんなジャンルの案件が受けられるようになると、継続的な案件獲得にもつながっていきます。また、多様な案件を経験することで、自分の得意領域も分かってきます。そこを直接営業する際の“売り”にしていくこともできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

実績をもとに直接営業をしてみる

マッチングサービス経由で実績を積んだら、それをもとに直接営業をしていきましょう。前段(「フリーランスの案件獲得のアプローチ方法」)でもご紹介したように、営業メールを送ったり、勤めていた会社に連絡をするなどの方法でアプローチしましょう。自分の得意領域が活かせそうな企業や、興味・関心のある事業を展開している企業などリサーチしてみてください。すぐにでも営業できる先があり、営業が得意という方は、マッチングサービス経由での実績づくりを待たずにぜひ営業活動を始めてみてください。

クライアントから紹介やリピートを受ける

直接営業をして、直案件をもらえるようになったら、次は継続していくことが大切です。まずは今、受けているクライアントからリピートしてもらうこと。そして、そのクライアントから別の案件や企業を紹介してもらえるようになるとベストです。リピートや紹介につながるということは、クライアントが成果を評価して、信頼してくれているということ。そういった関係性を築けるように業務に取り組むこともフリーランスとして案件獲得をし続けていくために重要です。

また、リピートや紹介の案件は、信頼関係ができた相手との仕事なのでコミュニケーションの取りやすさもありますし、こちらの得意領域を理解したうえでの発注なので、成果も出しやすくなるでしょう。こちらから営業をかけずとも、紹介がつながって安定的に案件獲得できる状態は目指すゴールのひとつです。

CHECK

直案件を受けるための第1歩は、自分が提供できる価値の棚卸し
ポートフォリオをもとにエージェント経由で案件を受けて多様なジャンルで経験を積む
実績をもとに直案件を受けていき、紹介やリピートをもらい続けられるように成果を出す

フリーランスが案件獲得で注意すべきこと

ここまで、フリーランスの案件獲得の方法についてお伝えしてきましたが、最後に案件を獲得するにあたって注意すべきことをまとめます。こんなはずではなかったという思わぬトラブルを招くことがないよう、以下の点に注意してください。

諦めずにまずは場数を踏む

1つ目は、まずはとにかく場数を踏むということです。営業をかけてもなかなか反応がなく、エージェント経由で応募しても選考が通らない、ひとつ案件を受けてもリピートや紹介につながらないというようなこともあるでしょう。でも、特にフリーランスとして活動を始めたばかりのころは、諦めずに場数を踏むことを意識してみてください。

案件獲得だけを目的に安易な安売りはしない

2つ目は、安易な安売りはしないということです。案件がなかなか獲得できないと、金額を下げてでも受注がほしいと思うこともあるでしょう。でも、そこで安易に値下げをしてしまうと、仮に継続してもらえたとしてもそのまま安い金額で受け続けることになってしまいます。また、別の案件を獲得しにいく際も、その金額が基準となってしまって単価を上げていくのが難しくなってしまうでしょう。適正な金額で受注することを心がけてください。

トラブルを避けるためにも契約書は必ず結ぶ

最後は、クライアントとは必ず契約書を結ぶということです。特に直案件の場合は、フリーランスとクライアントが直接契約を結ぶ必要があります。トラブルを避けるためにも、業務内容や期間、報酬、成果物などを、契約書としてきちんと締結しましょう。

CHECK

なかなか案件獲得ができなくても、諦めずに場数を踏む
安易な安売りはせず、適正な金額で案件を獲得する
業務内容や期間、報酬などを明記した契約書を必ず締結する

フリーランスの案件獲得は、直営業・直案件が理想的です。そのための方法やポイントをお伝えしてきました。とはいえ、直営業・直案件がすぐに取れる人はごくわずか。まずは少しずつ実績をつくることが大切です。そこから紹介につながり、直営業の武器となるポートフォリオに記載できる経験が増えていきます。実績づくりのために、クラウドソーシングなどのサービスを利用するのもおすすめです。クラウドソーシングサービスの利用に抵抗のある方もいるかもしれませんが、豊富な案件の中から自分に合ったものを選択でき、スキルのレベルに合わせた案件に取り組めるというメリットもあります。自分に合ったやり方で、できることから、ぜひ取り組んでみてくださいね。

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