フリーランスの青色申告と白色申告の違い。青色申告のメリット・デメリットと会計作業を効率化するテクニックを紹介
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フリ転編集部 柿本

Webライター兼コンテンツディレクター。20年以上の人事キャリア経験をもとに、現在はHR分野からビジネス系インタビュー記事まで幅広く執筆中。

確定申告をスムーズに時短で済ませる方法をまとめています!経理の専門知識がなくても、ソフトやツールを駆使すれば以外に簡単にできますよ。

確定申告は年度末に必ず行う、税金を納付する手続きです。申告をしないとペナルティが課せられるので必ずやりましょう。「青色申告」と「白色申告」で申請書類や使える控除などが異なり自分に合った申告方法を選ぶことが出来ますが、フリーランスの場合は青色申告がおすすめです。

目次

白色申告は所得330万円がボーダーライン。フリーランスなら迷わず青色申告 

白色申告をしても青色申告をしても所得税率は変わりません。所得の金額に応じて所得税は計算されます。この所得額を大きく左右するのが控除です。

所得金額ごとに税率と控除額が決まってきます。330万円を超えると控除額が大きく増加していますよね。

同じ収入であっても、控除を使う(青色申告で申請する)方が、控除を使わない(白色申告で申請する)場合よりも納税金額を低くすることができるのです。

所得330万円を超えるのであれば控除や赤字繰り越し、減価償却特例などのメリットが多い青色申告にしましょう。事業を開始したばかりで売上が少ない場合や、3年以上赤字が続いている場合は白色申告が向いています。帳簿をつけるのが難しそうだからなんとなく白色申告にしている方は、会計ソフトを使えば手間はほとんど変わらないので青色申告への切り替えを検討してみましょう。

白色申告に必要な書類

白色申告とは、帳簿の作成が簡単な申告方法ですが、基本的に税制上のメリットがありません。以前は記帳しなくても手続き可能だったのですが、2014年の法改正より白色申告も記帳が義務化されました。

フリーランスの白色申告では「収支内訳書」「確定申告書」の提出が必要です。

①収支内訳書

収入や支出の流れ、所得金額の詳細をまとめたものを指します。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

毎月のお金の流れをまとめるために、売上や経費が発生したら記録を残しておきます。これを記帳と呼びますが、白色申告のフォーマットは特に決まっていないので自分が分かりやすいようにまとめておきましょう。

会計ソフトを使うと効率化ができて便利です。

確定申告の時期になったら、必要書類の準備を進めます。ひとつひとつの取引について数量や単価、金額を正しく記帳し、それをもとに収支計算書、確定申告書と作成を進めます。
必要書類は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。会計ソフトを使っている場合は、会計ソフト上で確定申告に必要な書類を作成し、オンラインで提出可能です。

白色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・事前申請が不要
・簡易な記帳で良い
・節税効果は見込めない
・赤字が繰り越しできない

青色申告を控除と経費の扱いの違いからおすすめする理由

青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるなど、メリットの大きい申告方法です。仮に同じ収入だった場合、青色申告で確定申告をすれば税金がかかる所得を最大65万円少なくでき、その分納税額も少なくなり得になります。

また、経費に関しても白色申告よりも幅広く計上できることもメリットです。自宅で使うパソコンなど30万円未満のものは一括で経費計上、家賃や家族への給与も経費にできます。

青色申告に必要な書類

青色申告とは、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられている手続き方法です。青色申告特別控除をはじめ、様々なメリットがあります。

フリーランスの青色申告では「青色申告決算書」「確定申告書」の提出が必要です。

①青色申告決算書

日々の帳簿付けの結果を決算書の形式で記入する書類です。1年間の利益を計算した「損益計算書」と、期末時点での資産状況を示す「貸借対照表」からなります。

②確定申告書

1年間の所得額や控除額をまとめ、税金の金額を算出するものを指します。

準備~提出方法

まず事前に「青色申告承認申請書」の申告をする年の3月15日までに提出します。間に合わなかった場合は、次年度のために早めに申請書を出しておきましょう。

青色申告は仕訳をした複式簿記の準備が必要です。自分で0から帳簿付けをするためには勉強が必要ですが、会計ソフトを使えば自動仕訳できれいにまとめてくれるので、やりながら学ぶこともできます。

確定申告の時期になったら、会計ソフトで必要書類の準備を進めます。画面上で入力が必要な項目をひとつひとつ埋めていけば、書類を自動作成しオンラインで提出まで完了できます。

青色申告のメリット・デメリット

メリットデメリット
・最大で65万円の特別控除で、税負担を減らせる(青色申告特別控除)
・減価償却なしで30万円までを一括全額経費計上で節税できる
・3年間の赤字の繰り越しができる
・家族への給料を経費にできる
・事務所兼用として自宅の家賃や電気代など生活費の一部を経費にできる
・事前の申請が必要
・細かい帳簿の作成が必要

CHECK

所得330万円を超えるのであれば青色申告がおすすめ
青色申告はさまざまな控除があり経費計上の幅が広がる
事業を開始したばかりや赤字の場合は白色申告

白色申告の最大のメリットは経理事務の手間が必要ないこと

白色申告の最大のメリットは、事務手続きがシンプルで簡単なことです。白色申告をするために必要な事前申請は不要、お金の流れを管理する記帳も簡単にまとめてあれば問題ありません。

経理の知識がなくても、家計簿をつける感覚で「収入」と「支出」を分けて管理してまとめておけば手続きが可能です。

事業所得がまだ少なく経理作業に苦手意識があり、とにかく手間をおさえたい人に向いています。

青色申告で確定申告を行う流れ

確定申告書類を作る際には、適用される控除の証明書を手元に用意しておきます。流れとしてはまず帳簿をもとに「青色申告決算書」を作成し、決算書をもとに「確定申告書」を作成します。出来上がった書類を税務署に提出すれば、確定された額が引き落としされます。

会計ソフトで売上や経費の記帳を済ませる

フリーランスが使える会計ソフトはいくつかあります。青色申告に対応しており、初心者でも簡単に操作できるものを選びましょう。

会計ソフトに契約したら、まず名前や所在地などの事業情報と、銀行口座などの情報を登録します。その後、売上が発生した際や、経費が出た際に会計ソフトに入力をしていきます。銀行振込やクレジットカード支払いの場合は自動反映できますし、紙のレシートの場合はスキャンして読み込みすることが可能です。仕訳は自動仕分けができるように設定しておきましょう。

確定申告に必要な確定申告書と青色申告決算書を作成する

日々の記帳をきちんと行っていれば、確定申告の書類は簡単に作れます。会計ソフト内の「確定申告書類の作成」から指示に沿って、ステップごとに必要事項を入力していけば完成です。

確定申告書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・日付
・事業主の個人情報
・収入金額等
・所得金額
・所得から差し引かれる金額
・税金の計算
・延納の届出
・還付される税金の受取場所
2ページ目・年・住所・氏名
・所得の内訳
・譲渡所得、一時所得に関する事項
・特例適用条文等
・保険料控除等に関する事項
・本人に関する事項
・雑損控除に関する事項
・寄附金控除に関する事項
・配偶者や親族に関する事項
・事業専従者に関する事項
・住民税に関する事項
・個人事業税に関する事項

青色申告決算書の書き方

会計ソフトで自動作成された内容は、以下項目がきちんと反映されているか最終チェックしましょう。

1ページ目・3つの日付記入欄
・事業者情報
・売上(収入)金額・売上原価
・経費
・各種引当金・準備金等, 青色申告特別控除, 所得金額
2ページ目・月別売上(収入)金額 及び 仕入金額
・給料賃金の内訳
・専従者給与の内訳
・地代家賃の内訳
・貸倒引当金繰入額の計算
・青色申告特別控除額の計算
3ページ目・売上(収入)金額の明細
・仕入金額の明細
・減価償却費の計算
・利子割引料の内訳
・税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
・本年中における特殊事情
4ページ目・貸借対照表 – 資産の部
・貸借対照表 – 負債・資本の部
・製造原価の計算

e-Tax、もしくは郵送・税務署窓口から資料を提出する

会計ソフトで作成した確定申告書類は、税務署窓口に直接提出or郵送提出か、オンラインでの提出が可能です。会計ソフトで作成し書類をもとに、自分でe-Taxにログインして書類提出もできますが、事前に会計ソフトとe-Taxを連携させることで、会計ソフト上から電子申請を済ませることもできます。

ATTENTION

e-Tax

税制改正で確定申告の書式・記入方式の変更に注意

確定申告の書類記入方法や提出方法など、毎年少しずつ変更があります。特に最近ではDX化で押印が不要になり、マイナポータルとの連携がなされるなど、手続きがどんどん簡単になっています。最新の情報は国税庁のホームページでチェックしましょう。

CHECK

会計ソフトで日々の記帳を自動化するとスムーズ
確定申告の書類も会計ソフトから自動作成できる
事前連携をすれば、オンラインでそのまま提出も可能

確定申告をもっと効率化する手間削減のリアルテクニック

ちょっとした工夫で確定申告の手続きを楽にするテクニックはいくつかあります。

銀行口座をあらかじめ公私で分けて経費の仕分けの手間を無くす

事業用の銀行口座を作り会計ソフトに同期しておけば、カード決済の内容を自動で入力できます。

クレジットカードで経費決済をして紙の領収書の対応を減らす

紙の領収書は保管や整理に手間がかかります。なるべくオンラインでの決済でペーパーレス化しましょう。

領収書やレシートはスキャナーでデジタル化し会計ソフトに取り込む

紙でもらった領収書やレシートがある場合は、スマホのカメラで写真にし、スキャナーでデジタル化し保存します。会計ソフトに取り込むと自動で読み取りをしてくれるので便利です。

e-Taxで提出書類を省略しつつオンラインで確定申告を終わらせる

e-Taxでは控除証明書など申告の内容を証明する書類の添付をせずにオンライン申告ができます。e-Taxで電子申告することで青色申告特別控除額65万円が適用されます。

会計ソフトの自動仕訳のパターンを早めに設定しておく

毎月決まった支払いなどがある場合、会計ソフトの「自動仕訳ルール一括編集」の機能で仕訳パターンを設定しておくとあとから修正する手間を省くことができます。

会計ソフトの確定申告必要書類の自動作成機能を使う

自分で国税庁から書類をダウンロードして記入作成をしなくても、会計ソフトで確定申告書類の自動作成機能があるので活用しましょう。

受発注管理と会計ソフトを連携させ売上の自動取り込みをさせる

業務委託など複数の委託先から仕事を受けていて受注管理ツールなどを使っている場合、会計ソフトと連携させることで売上を自動で取り込みできます。

マイナポータル連携機能を活用して控除証明書を一括でダウンロードする

控除証明書を取り寄せてチェックをするのは手間がかかりますが、マイナポータル連携機能を使うとオンラインで管理可能になります。

分からないことは悩む前に国税相談専用ダイヤルに電話相談する

国税局のホームページでは税の相談を様々な形で受け付けています。タックスアンサー(よくある質問集)、税相談チャットボット、また電話での相談も可能です。

国税相談専門ダイヤル…0570-00-5901

確定申告は会計ソフトを使えばスムーズ!効率化のための様々なコツもあるので、知識のある人に積極的に質問しながら業務をアップデートしていきましょう。期限内にしっかり提出できるように日々の記帳も忘れずに!

青色申告でも節税と事務作業は徹底して効率化してコア業務に集中

確定申告などの事務処理はなるべくスムーズに終わらせ、売上をつくるコア業務に集中したいですよね。いかに効率的に、損なく済ませるかが重要になってきます。

会計ソフトを導入するのはもちろんですが、最新の情報やちょっとしたコツなどはネットからの情報ではなく人づてで入ってくることが多いです。フリーランスだからこそ、人とのつながりを積極的に作っておくことが業務効率化につながります。

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