フリーランスのエディトリアルデザイナーの仕事内容や独立に必要なステップ。案件獲得・単価を上げる方法と将来性を解説
フリ転編集部 長井
未経験で独立したWebライター。クラウドソーシング案件から、キャリアを積むにつれエージェント案件など獲得し、3年で売上500万円を達成。SEO記事やインタビュー記事、HPやLPなどのライティングなどを主に執筆中。
フリーランスのエディトリアルデザイナーに憧れているものの、「どんな仕事なのか?」「どうやって独立できるのか?」と悩みを抱えている方はたくさんいます。そこで今回は、具体的な仕事内容や案件獲得方法、将来性について解説します。
エディトリアルデザイナーの仕事は、書籍やカタログなど出版物のデザインをすることです。フリーランスのエディトリアルデザイナーとして活躍するには、クラウドソーシングで未経験・経験が浅い方向けの案件を探し、経験を積んでからエージェント経由で仕事を獲得しましょう。いきなりフリーランスを目指すより、まずは出版社などで働くと独立のハードルが下がります。また、アナログからデジタルへのシフトにともない業界は縮小傾向です。しかし、紙媒体だけでなくWebなどのデザインもできるようスキルの幅を広げると、今後も長く活躍できるエディトリアルデザイナーになれます。
目次
フリーランスのエディトリアルデザイナーの仕事
フリーランスのエディトリアルデザイナーついて、具体的な仕事内容や案件獲得方法について解説します。
フリーランスのエディトリアルデザイナーの主な案件トレンドや業務内容
エディトリアルデザイナーの仕事は、書籍や雑誌、新聞、カタログなどの出版物に関するデザインです。読者にとって読みやすい誌面になるよう、写真やテキストの配置、全体のカラーリングなどを決定します。
案件のトレンドとして、書籍や雑誌といった紙のメディアの衰退にともない、これらに関する募集は減少傾向です。しかし、企業のアニュアルレポートやCSR、株主通信といった資料、その他の冊子やカタログなどに関する案件は引き続き募集されています。
フリーランスと会社員のエディトリアルデザイナーの違い
フリーランスのエディトリアルデザイナーは、働く時間や請け負う案件を自分で案件を選ぶことができます。自分の得意分野を伸ばしやすく、気の進まない仕事を無理に引き受ける必要はありません。一方で、会社員のエディトリアルデザイナーは収入が安定しており、自分で営業をしなくても仕事が与えられます。有給休暇やボーナスといった待遇面でも優れているでしょう。
CHECK
エディトリアルデザイナーの仕事は、書籍や雑誌といった紙メディア関連は減っているが、その他の案件では引き続き募集がされている
フリーランスのエディトリアルデザイナーは、労働時間や案件内容を自分で選べる
会社員のエディトリアルデザイナーは、収入が安定しており福利厚生などの待遇もよい
フリーランスのエディトリアルデザイナーまでのロードマップ
フリーランスのエディトリアルデザイナーになるためにはどうすればよいのか、具体的な方法を解説します。
エディトリアルデザイナーとして独立に必要なスキルと実務経験の積み方
未経験のエディトリアルデザイナーが、フリーランスとして独立することは非常に厳しいです。まずは出版社やデザイン会社に就職し、書籍や印刷などの専門知識を身につけましょう。将来的に独立をするのであれば必ずしも正社員になる必要はないため、契約社員やアルバイトからスタートしても問題ありません。
独立に際し、エディトリアルデザイナーに最も必要とされるものは、デザインスキルです。センスを養うことはもちろん、タイポグラフィやレイアウト、カラーなどについて学びましょう。また、PhotoshopやIllustrator、InDesignといったツールを扱うITスキルも必須です。
エディトリアルデザイナーとして案件獲得のための工夫・戦略
エディトリアルデザイナーの案件を探してみると、未経験可のものは非常に少ないです。案件を獲得する戦略として、まずはアルバイトでも構わないので出版社などで働き、経験者としてのステイタスを獲得しましょう。
また、安定して案件を獲得し続けるためには、人脈作りが重要です。フリーランスになった時も、ツテを活用して仕事を得ることは多々あります。時間をかけられるのであれば、専門学校に通うと専門的な勉強をしながら在学中に企業とのコネクションを作るチャンスも生まれます。
さらに、エディトリアルデザイナーだけでなく、イラストデザイナーや広告デザイナー、Webデザイナーなどのスキルを身につけることで案件獲得のチャンスが大きくなるため、積極的に自分のスキルの幅を広げましょう。
エディトリアルデザイナーとして単価アップにつながるスキル・経験
先に挙げたデザインスキルやITスキルを向上させることは、単価アップにつながります。さらに高単価の案件を得るためには、時代にあった感性を知るリサーチ力が必要です。自分の作るデザインが「古い」と評価されないよう、SNSをチェックしたり雑誌を読んだりして、常にトレンドをおさえましょう。
また、編集者やカメラマンなどとやり取りをするため、コミュニケーション力も磨いてください。一緒に仕事をした人に好印象を持ってもらうと、彼らが「エディトリアルデザイナーの知り合いいない?」と聞かれた時、あなたを紹介してくれる可能性が高まります。
CHECK
エディトリアルデザイナーとして独立する際は、デザインスキルとITスキルが必須となる
エディトリアルデザイナーとして仕事を獲得するためには、人脈を作り紹介をもらえるようにするとよい
エディトリアルデザイナーとして単価アップするためには、時代にあった感性を知るリサーチ力と、コミュニケーション能力が必要
フリーランスのエディトリアルデザイナーのチャネル別案件の事例と単価感
フリーランスのエディトリアルデザイナーがどのような案件を担当しているか、どの程度の単価の案件が多いかを解説します。
エディトリアルデザイナー案件をクラウドソーシングで獲得する場合
ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトには、エディトリアルデザイナーの募集が複数出ています。ライターやWebデザイナーといった職種に比べるとそこまで多くの案件はありませんが、ほぼ毎日少しずつ追加されているので頻繁に確認しましょう。未経験可の案件もゼロではないため、まずは単価が安くても自分ができそうなものがあれば何でもチャレンジして、実績を積むことをおすすめします。
エディトリアルデザイナーは何を作るかによって単価が大きく変わりますが、例えばチラシは1枚5000~3万円、パンフレットは2万~3万円、商品パッケージは5万円、書籍は1ページ1000~2000円程度が目安になります。
エディトリアルデザイナー案件をエージェント経由で獲得する場合
エディトリアルデザイナーの仕事を紹介してくれるエージェントを活用すると、クラウドソーシングよりも高単価の案件を獲得できます。しかし、99%が経験者向けで、ポートフォリオや実績をアピールできなければ契約につながりません。
エージェント経由での案件はクラウドソーシングとは違い、案件ごとではなく時給制での募集がほとんどです。スキルや経験年数によって金額が変動しますが、一般的には週4~5日稼働で30~40万円程度が目安となります。
CHECK
クラウドソーシングでの案件は低単価だが、未経験でも挑戦できるものがある
エージェント経由の案件は時給制が多く、スキルや実績を求められる
まずはクラウドソーシングで実績を積み、スキルを伸ばしてからエージェントに登録するのがおすすめ
エディトリアルデザイナーだからこそ、心がけたい仕事の進め方のポイント
これからフリーランスのエディトリアルデザイナーを目指すにあたり、大切な仕事のポイントを解説します。
デジタルとプリントの表現の違いの深い理解
デジタルとアナログでは、似たデザインでも表現が大きく変わります。デジタルは編集の自習度が高く、制作プロセスにおいて何度でもやり直しができます。そのため、より自分の理想とする表現を実現しやすく、様々な手法やスタイルを試せる点が特徴です。
一方でアナログのプリントは、手書きのスケッチやドローイングならではの温かみを表現しやすく、デジタルでは再現できない独特のニュアンスもあります。また、手作業ならではの繊細なタッチも魅力です。これからエディトリアルデザイナーを目指す人は、デジタルとアナログの両方の良さを理解するため、手書きとITツールを使ったデザインのどちらも勉強しましょう。
一貫性のあるデザインと独自性の両立
雑誌やカタログなどボリュームのある制作物の場合、全体の統一感を持たせることが重要です。ページが変わるたびにテイストが大きく変わると、読みにくさや分かりにくさにつながってしまいます。
しかし、すべてのページが似たりよったりになると、読み終わる前に飽きられてしまうリスクがあるものです。それぞれのページにあった独自性を出し「次のページも読みたい」と感じられるデザインが求められます。
効率的な作業フローの確立による生産性向上
フリーランスとして働く際、効率性の向上が重要です。仕事をスピーディにできるようになるほど受けられる案件の数が増え、収入が上がります。効率性を高めるには、作業フローを確立してください。
エディトリアルデザイナーの仕事は一般的に、「クライアントにヒアリングして方向性を決める」「フォーマットレイアウトを作る」「写真をディレクションする」「レイアウトを作成する」「校閲する」「入稿データを作成する」といった流れで進みます。この中で、「レイアウトのパターンをあらかじめ作っておく」「校閲はこのツールを使う」など、自分にあったやり方を確立することで、より生産性高く作業を進められます。
CHECK
デジタルとプリントの表現の違いを理解する
一つの作品において一貫性と独自性の両方を大切にする
効率性を上げるために作業フローを確立して生産性を向上させる
エディトリアルデザイナーの案件市場と生成AIによる業界の変化
エディトリアルデザイナーの案件はどのような市場か、生成AIによって変化があるのかについて解説します。
エディトリアルデザイナーという案件市場の将来性。案件は減少傾向
エディトリアルデザイナーの案件市場は、残念ながら縮小しています。主な原因は、ンテンツ制作が世界的にコアナログからデジタルに移行していることです。例えば書籍ひとつとっても、今や単行本や文庫本だけではなく電子書籍があり、高い人気を得ています。カタログやチラシといった紙媒体もデジタルシフトしており、この動きは今後も強まるでしょう。だからこそ、紙に固執せずデジタル領域でのデザインにもぜひ目を向けてみてください。
仕事の紹介やまないエディトリアルデザイナーの鍵は「AI」の活用による創造
今後、フリーランスのエディトリアルデザイナーとして活躍するためには、AIの活用が不可欠です。AI技術はたった数年で飛躍的に向上し、今や写真と間違えらえるほど高性能なイラストを作れるようになりました。
こういったAIを上手く活用することが、将来的に仕事を得続けるために重要です。例えばコンセプトをもとにいくつかのデザイン原案のアイディア出しに使ったり、データ処理に時間のかかる作業を任せたりといった活用ができます。「仕事をAIに取られるのでは」と不安に思うのではなく、自分の業務の中でいかにAIを使えるか検討してみてください。
CHECK
エディトリアルデザイナーの案件は縮小傾向にある
AIを使えるエディトリアルデザイナーになることで、今後も長期的に活躍できる
AIを恐れるのではなくいかに活用するかという考え方のシフトをする
エディトリアルデザイナーは、書籍や雑誌、新聞、カタログなどの出版物のデザインをします。最近ではアナログからデジタルへのシフトにともない、案件は縮小傾向にありますが、企業のレポートや株主通信などの需要は引き続きあります。
これからフリーランスのエディトリアルデザイナーを目指す方は、まずは出版社やデザイン会社で経験を積み、ノウハウを学んで人脈を作ることをおすすめします。独立したらクラウドソーシングで実績を積み、経験と年数を重ねてからエージェントを利用すると収入が安定するでしょう。
紙媒体だけにこだわらず、デジタル領域でのデザインスキルも身につけると、より高収入を目指せます。労働時間や引き受ける案件の種類など自由度の高いフリーランスのエディトリアルデザイナーを、ぜひ目指してみてください。