法人化の分岐点!合同会社と株式会社、あなたの未来を左右する選択
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フリ転編集部
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フリーランスとして活動している方が法人化を検討する際、最初に悩むのが「合同会社」と「株式会社」のどちらを選ぶべきかという点です。法人化には節税や社会的信用の向上といったメリットがありますが、会社の形態によって設立費用や運営の仕組みが異なります。
本記事では、合同会社と株式会社の違いを比較し、それぞれに適したケースを解説します。自分の事業に最適な法人形態を選ぶための参考にしてください。

法人化を検討する際は、初期費用や運営の柔軟性を重視する場合は合同会社を、社会的信用や資金調達の可能性を優先する場合は株式会社を選ぶべきです。事業の規模や将来の展望を考え、最適な形態を選択しましょう。
目次
フリーランスが法人化で得られるメリット
法人化することで、フリーランスには多くのメリットがあります。
節税効果が期待できる
フリーランスが法人化するメリットとして最も重要なのが「節税効果」です。個人事業主と比較して、法人化することでさまざまな税制上の優遇措置を活用できるようになります。法人化による節税効果は、主に以下の4つに分けることができます。それぞれの特徴を理解して、効率的な資金運用に役立てましょう。
【役員報酬を経費に計上できる】
フリーランスが法人化すると、自身を役員として給与(役員報酬)を支払うことができます。この役員報酬は法人の経費として計上でき、法人税の課税対象となる利益を減らせます。
【経費の幅が広がる】
個人事業主として認められにくい経費も、法人であれば計上しやすくなります。たとえば、接待交際費や福利厚生費などが該当します。
【長期間にわたって欠損金の繰越控除を受けられる】
法人は赤字(欠損金)を最大10年間繰り越すことができ、将来の黒字と相殺できます。個人事業主の場合は3年間のため、長期的な節税計画が立てやすくなります。
【消費税の納付を2年間免除される】
新設法人は設立から2期間、原則として消費税の納税義務が免除されます。これにより、事業開始時の資金繰りが楽になります。
社会的信用を獲得
法人化することで、取引先や金融機関からの信頼度が高まります。特に大企業との取引では、法人であることが取引条件になっているケースもあります。
有限責任にできる
株式会社も合同会社も有限責任制度を採用しているため、万が一事業が失敗しても、出資額以上の責任を負わなくて済みます。個人事業主の場合は無限責任であり、事業の債務に対して個人の財産まで責任を負うことになります。
決算期を選べる
法人は決算期を自由に設定できるため、繁忙期を避けて決算業務を行うことができます。
CHECK
・節税効果があり、役員報酬や経費計上の幅が広がる
・社会的信用が向上し、取引先や金融機関の信頼を得やすい
・責任が限定され、個人財産への影響を抑えられる
フリーランスが法人化するベストなタイミングは?
法人化のタイミングについては、以下のポイントを考慮すると良いでしょう
- 年間の所得が300万円を超えてきた時
- 将来的に事業拡大を考えている時
- 大手企業との取引が増えてきた時
- 複数人でのビジネス展開を視野に入れている時
- 個人の資産を守る必要性を感じ始めた時
合同会社・株式会社どちらを選ぶべきか
株式会社がおすすめのケース
株式会社は、株式を発行して資本を集め、株主と経営者が分離可能な会社形態です。
おすすめのケース
- 将来的に事業拡大や上場を目指している
- 外部から資金調達をする予定がある
- 社会的信用度を最大限に高めたい
- 従業員を多く雇用する予定がある
- 株式による事業承継を考えている
合同会社がおすすめのケース
合同会社は、2006年の会社法改正で導入された比較的新しい会社形態で、出資者(社員)が経営に参加する形態です。
おすすめのケース
- 少人数での経営を予定している
- 設立・運営コストを抑えたい
- 経営の自由度を高く保ちたい
- 当面は小規模での事業展開を考えている
- 内部留保を増やしたい
株式会社と合同会社の特徴をまとめた表がこちらです。
株式会社 | 合同会社 | |
設立費用 | 高コスト(登録免許税15万円など) | 比較的低コスト(登録免許税6万円など) |
運営の柔軟性 | 取締役会や株主総会など、法定の機関設置が必要で手続きが複雑 | 出資者全員が業務執行権を持ち、意思決定が迅速 |
社会的信用度 | 高い | 株式会社に比べるとやや低い |
利益配分 | 原則として出資比率に応じて配分 | 出資比率に関係なく、自由に設定可能 |
資金調達 | 株式発行により広く資金調達が可能 | 出資者からの増資が主な手段 |
決算公告義務 | あり | なし |
設立ハードルの違い
株式会社と合同会社を設立する際には、手続きや費用面で大きな違いがあります。これらの違いは、特に創業初期の資金が限られているフリーランスや小規模事業者にとって重要な検討材料となります。
株式会社の設立には、公証人による定款認証が必須で約5万円の手数料がかかります。設立登記時には資本金の0.7%(最低15万円)の登録免許税が必要です。組織面では最低1名の取締役設置が義務付けられており、場合によっては取締役会や監査役の設置も検討する必要があります。
一方、合同会社は定款認証が不要で、その分約5万円のコスト削減になります。登録免許税も最低6万円と低額です。組織構造も「業務執行社員」の設置のみで十分なため、運営負担が軽減されます。
運用ハードルの違い
株式会社と合同会社は設立時のハードルだけでなく、設立後の運用面においても重要な違いがあります。長期的な事業運営を考える上で、これらの違いを理解しておくことは非常に重要です。
株式会社は年一度の株主総会開催が義務付けられ、議事録作成・保管も必要です。取締役会や監査役などの機関設置も可能ですが、運営コストが増加します。計算書類の公告義務があり、役員変更時には法務局での登記手続きが必要です。
合同会社は社員総会開催の法的義務がなく、出資者間の合意で意思決定できます。組織構造がシンプルで運営コストを抑えられます。多くの場合、計算書類の公告義務もありません。
業務執行社員変更時には登記手続きが必要ですが、通常は役員数が少ないため変更頻度も低くなります。
CHECK
・株式会社は株式発行で資金調達が可能で社会的信用度が高い
・合同会社は少人数経営に適し設立・運営コストが低く柔軟性が高い
・設立時の手続きと費用は株式会社が複雑高額、合同会社が簡素低額
会社形態を決めるときのポイント比較
会社形態を選ぶ際は、設立費用や運営のしやすさ、社会的信用度など、さまざまなポイントを考慮する必要があります。それぞれの違いを分かりやすく比較できるよう、ポイント別にまとめました。
ポイント | 株式会社 | 合同会社 |
設立コスト | 高い | 低い |
運営の柔軟性 | 低い | 高い |
社会的信用度 | 高い | やや低い |
資金調達 | 柔軟 | 制限あり |
利益配分 | 出資比率に応じる | 自由 |
決算公告義務 | あり | なし |
編集部記者おすすめの選択
フリーランスからの法人化を考える場合、初期段階では合同会社がおすすめです。その理由は以下の通りです。
- コスト面のメリット:設立費用が安く、運営も比較的シンプルで、小規模事業者には負担が少ない
- 経営の自由度:意思決定が柔軟で、外部からの干渉が少ない
- 将来の選択肢:必要に応じて後から株式会社へ組織変更することも可能
ただし、以下のような場合は株式会社を検討されるべきでしょう。
- 事業規模が大きく、対外的な信用が特に重要な場合
- 将来的に上場や大規模な資金調達を視野に入れている場合
- 複数の投資家から出資を募る予定がある場合
最終的には、ご自身のビジネスプランや将来展望に合わせて選択することが重要です。税理士や専門家に相談しながら、最適な選択をされることをお勧めします。
CHECK
・株式会社は資金調達しやすく社会的信用度が高い
・合同会社は設立・運営コストが低く柔軟性が高い
・事業規模や将来展望に応じた選択が重要
合同会社と株式会社はそれぞれ特徴が異なります。法人化により節税効果や社会的信用向上、有限責任化などのメリットが得られます。
株式会社は社会的信用が高く資金調達に有利ですが、合同会社は設立・運営コストが低く柔軟な経営が可能です。事業計画や将来ビジョンに合わせて、最適な会社形態を選ぶことが大切です。