フリーランスのシステムエンジニアの仕事内容や独立に必要なステップ。案件獲得・単価を上げる方法と将来性を解説
フリ転編集部 長井
未経験で独立したWebライター。クラウドソーシング案件から、キャリアを積むにつれエージェント案件など獲得し、3年で売上500万円を達成。SEO記事やインタビュー記事、HPやLPなどのライティングなどを主に執筆中。
フリーランスのシステムエンジニアに憧れているものの、「どんな仕事なのか?」「どうやって独立できるのか?」と悩みを抱えている方はたくさんいます。そこで今回は、具体的な仕事内容や案件獲得方法、将来性について解説します。
フリーランスのエンジニアは、多様な業務を行っています。要求分析や要件定義、基本設計など上流工程を担当することが多いです。プログラマーと混同されることもありますが、システムエンジニアが作った仕様書をもとにプログラマーがコードを書くという流れになっています。システムエンジニアに必須の資格はなく、実務経験の方が重要です。フリーランスとして独立する前に、企業で経験を積んでおきましょう。
目次
フリーランスのシステムエンジニアの仕事
フリーランスのシステムエンジニアについて、具体的な仕事内容や案件獲得方法について解説します。
生成AIの登場により、フリーランスエンジニアの需要増減は先読みできない
フリーランスのシステムエンジニアが今後も仕事を得られるのか考える上で、重要なポイントがAIです。AIはこれまで様々な職業を淘汰すると言われていますが、エンジニアもその対象として挙げられることがあります。
たしかに、プログラミングはAIの得意分野でありコードを書けない方でもプログラムが組めるようになりました。今後、AIを使えば自動でWebアプリやソフトウェアを生成できるようになるでしょう。
しかし、まだまだAIが100%完璧に仕上げることは難しく、最終的には人による確認が必須です。また、顧客の理想をくみ取ったり、メンバーとコミュニケーションを取りながらプロジェクトを円滑に進めたりといった部分でも、人間の必要性が残るでしょう。
システムエンジニア主な業務範囲
システムエンジニアの業務は多岐にわたります。以下、内容ごとに解説します。
・要求分析
要求分析とは、開発をスタートする段階で「この製品を使って何がしたいのか」を明らかにすることです。開発の目的やニーズを初めに整理することで、その後の開発の軸となります。ただし、あくまでもクライアントの要望や希望をまとめる作業であり、すべての内容が実現されるとは限りません。
・要件定義
要件定義とは、開発の目的を達成するためにどのような機能が必要かを明らかにし、業務要件や運用要件などを整理することです。また、予算やスケジュールもこの段階で確定します。クライアントの要望の中で、何ができて何ができないのかをわけて、要件定義書というドキュメントに記録します。
・基本設計
基本設計とは、要件定義にもとづき、どういった動きをするかを決めていく作業です。業務の流れにそって機能を洗い出し、開発範囲となる機能を決定します。また、ネットワークの構成やデータベースのテーブルの定義もこの段階で行います。
・詳細設計
詳細設計とは、基本設計で確定した動きをどう実現するか決めていく作業です。機能設計書を作って機能ごとの処理を記述したり、フローチャートを作ったりします。また、データベースの物理設計書もこの段階で作成します。基本設計はクライアントと一緒に決めていきますが、詳細設計は社内でのみ見られることが多いです。
・プログラミング
プログラミングとは、コードを書いてシステムを作ることです。設計書をもとに、プログラマーが作業を進めます。出来上がったらモジュールごとにテストを行い、次に全体を確かめる結合テストやシステムテストを実施します。
・運用・保守
運用・保守とは、ユーザーにリリース後、システムが問題なく作動するか確認し、何かあれば対応することです。定期的なチェックを行うほか、アップデートなどの変更作業も含まれます。
プログラマーとの業務範囲の違い
システムエンジニアは、クライアントとコミュニケーションを取りながら要件定義を行うなど、より上流工程を担当します。また、要件定義にもとづき仕様書を作るのも、基本的にはシステムエンジニアの仕事です。全体をまとめ、スケジュールを引いたりプロジェクトメンバーをまとめたりといった役割も果たします。
プログラマーは、仕様書をもとにコードを書いていきます。プログラミングが完成した後はテストを行い、バグの修正も担当します。
システムエンジニアは技術・以外のスキルとしてマネジメント力が必要
上記の通り、システムエンジニアの仕事は顧客とのコミュニケーションやプロジェクトの統率がメインです。そのため、プログラミング技術だけでなくマネジメント力が必要とされます。
フリーランスと企業で働くシステムエンジニアの働き方の違い
フリーランスのシステムエンジニアは、自分で仕事を選べます。複数の案件を掛け持ちすることもできるので、稼働すればした分だけ収入も上がるでしょう。会社員のシステムエンジニアは、収入が安定し、福利厚生の恩恵も受けられます。また、仕事で悩んだとき身近に相談できる人がいる点もメリットです。
システムエンジニアは「フリーランスか、会社員か」以外に、「常駐型か、在宅型か」という分類もできます。
・常駐型
開発会社の現場に常駐する働き方です。自分以外のエンジニアとコミュニケーションを取りやすく、スムーズに業務を進められます。同業との会話から最新情報を得たり、悩んでいる課題を解決するヒントを見つけられることもあるでしょう。
・在宅型
自宅やコワーキングスペースなど、どこかに出社せず稼働する働き方です。オフィスに行く手間が省け、ミーティングなど以外は基本的に自由なスケジュールで働けます。また、複数の案件を掛け持ちしたり、エンジニア以外の仕事をしたりといったこともしやすいでしょう。
CHECK
・システムエンジニアの業務は多岐にわたるが、基本的に上流工程を担当する
・システムエンジニアはプログラミングの専門スキルだけでなく、コミュニケーション力やマネジメント力も必要
・フリーランスか会社員か、常駐型か在宅型かによってメリットが異なる
フリーランスのシステムエンジニアのチャネル別案件の事例と単価感
フリーランスのシステムエンジニアがどのような案件を担当しているか、どの程度の単価の案件が多いかを解説します。
システムエンジニア案件をクラウドソーシングで獲得する場合
クラウドソーシングでシステムエンジニアの案件を探すと、30万~60万円程度が相場となります。Webシステムの開発やメディアのアプリの開発、CMS移行など内容は多岐にわたります。
システムエンジニア案件をエージェント経由で獲得する場合
エージェントでシステムエンジニアの案件を探すと、40万~80万円程度が相場となります。社内システムの移管やSAPの導入、システムの開発保守など、案件の内容は様々です。
単価が高いシステムエンジニア案件の特徴
単価が高い案件は、5年以上の実務経験を求められることが多いです。また、需要の高いプログラミング言語のスキルが必須となっていることもあります。他にも、PM業務があったりAIを用いた開発の案件は単価が高いです。
フリーランスのシステムエンジニアになる道のり
フリーランスのシステムエンジニアになるためにはどうすればよいのか、具体的な方法を解説します。
システムエンジニアになることには特別な資格は必要はないが実務経験は必要
システムエンジニアに必須の資格はありません。もし勉強のために何か資格を取りたいという場合には、応用情報技術者試験やシステムアーキテクト試験、ネットワークスペシャリスト試験などが役立つでしょう。
資格よりも重視されるのが、実務経験です。案件を獲得する際も経験年数で足切りされることが多々あります。
実務経験を積んでからフリーランスのシステムエンジニアになる
システムエンジニアとして独立するのであれば、事前に企業に勤めておく方がおすすめです。前述の通り、経験がなければそもそも案件に応募できないケースはよくあります。自分がどのような業務を担当してきたのか、ポートフォリオが作れる程度には経験を積んでおきましょう。
フリーランスとしてシステムエンジニア案件のみで独立するためには他職種の知識を持つ
システムエンジニアとして独立するには、他職種への知識も必要です。プロジェクトをマネジメントする立場になることも多いため、プログラマーやサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどについても勉強しておきましょう。
CHECK
・フリーランスのシステムエンジニアに必須の資格はない
・フリーランスのシステムエンジニアとして案件を獲得するには実務経験が必要
・システムエンジニア以外の職種についても知識があるとよい
フリーランスのシステムエンジニアから単価アップや年収を上げる方法
フリーランスシステムエンジニアとしてどうすれば単価が上がるのか、具体的な方法を解説します。
PLやPMなど上位キャリアの案件を受ける」はいかがでしょう
システムエンジニアとしての案件ではなく、PLやPMとしての案件を受けることで年収を上げやすくなります。PMはプロジェクトの責任者として全体を管理し、メンバーの調整やクライアントとのコミュニケーションを行います。PLはPMが策定した計画を進行させるため、プロジェクトの実行を推進するポジションです。
生成AIやRPAなど技術革新がある分野の案件に対応できるようにする
生成AIやRPAなどの案件は、単価が高い傾向にあります。技術革新とともに新しく生まれたものを扱う分野では、精通しているプロが少なく案件を受けられる人数が少ないため、一案件あたりの単価が上がりやすいためです。常に、どのような分野で技術革新が起きているかをリサーチしておくようにしましょう。
CHECK
・PLやPMの案件は単価が高い
・生成AIやRPAなどの案件は単価が高い
・常にどのような技術革新が起きているかをリサーチしておくことで、高単価案件を探すことができる
システムエンジニアだからこそ、特に心がけたい仕事の進め方のポイント
これからフリーランスのシステムエンジニアを目指すにあたって、大切な仕事のポイントを解説します。
学習時間を常に確保できるように自分でモチベーションを管理する
エンジニア業界では常に新しい技術が生まれており、トレンドも頻繁に移り変わります。だからこそ、いつでも最新情報を手に入れたり、新しくメジャーになった言語を学んだりすることが重要です。単に仕事を増やすだけでなく、こういった学習時間を確保できるよう自分自身のモチベーションを保ちましょう。
開発だけではなく営業や折衝といったコミュニケーション・マネジメントも疎かにしない
システムエンジニアとして仕事を得続けるためには、営業力が必要です。自分のスキルをアピールし、プロジェクトに参画するチャンスを広げなくてはなりません。また、マネジメント力も求められます。チームを引っ張る存在としてメンバーや全体スケジュールなどに気を配れるようにしましょう。
システムエンジニアの案件市場と生成AIによる業界の変化
システムエンジニアの案件はどのような市場か、生成AIによって変化があるのかについて解説します。
システムエンジニアという案件市場の将来性。AIやIoT、VR関連の案件は増加する可能性
今後、AIやIoTの分野では案件が増加すると考えられています。AIは文章作成や画像生成だけでなく、様々なシーンで活用されています。IoTもデジタル化に伴い進んでいるため、この分野を担当できるようになると、今後も仕事を得やすいでしょう。また、VRもエンターテインメント業界だけでなく、医療業界や不動産、旅行業などで活用されており、案件が増加すると考えられます。
仕事の紹介やまないシステムエンジニアになるには。特定の業界にこだわらない柔軟性を持つ
今後もフリーランスのシステムエンジニアとして活躍するためには、特定の業界にこだわらない姿勢が必要です。時とともにトレンドとなる業界は移り変わり、一つに固執していると時代遅れになってしまう可能性が高いです。
CHECK
・AIやIoT関連の案件はこれから増加する可能性が高い
・VRは様々な業界で活用されており、今後も伸びると考えられる
・特定の業界にこだわらず、トレンドにあわせ柔軟に業界を変えていくとよい
システムエンジニアは、プログラミングスキルだけではなく、コミュニケーション力やマネジメント力が必要です。1案件30~80万円程度が相場となり、5年以上の実務経験が求められる案件は単価が高い傾向です。常に学習時間を確保し、営業力やコミュニケーション力を高めましょう。