フリーランスの生産性とQOLを上げるオフィス環境作り。オフィスの選び方を中心に快適な働き方を実現する方法を紹介。
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フリ転編集部 柿本

Webライター兼コンテンツディレクター。20年以上の人事キャリア経験をもとに、現在はHR分野からビジネス系インタビュー記事まで幅広く執筆中。

フリーランスで仕事をする際、働く場所の選択肢は無限です。どこでも働けるのが魅力である半面、効率良く仕事できる場所が確保出来ないと収入が危うくなります。

フリーランスで働く場所の候補や、場所を選ぶ際の考え方をお伝えします。

目次

稼ぐフリーランスは作業環境に投資を惜しまない

会社や組織に属さないフリーランスの大きなメリットは、働く時間や場所を自分で選べることです。自由であるからこそ、プライベートと仕事の線引きが難しく、自身の生産性を意識的に管理する必要があります。

生産性を上げるためには、「作業がはかどる環境づくり」が必要不可欠。家のダイニングテーブルと椅子で仕事をしていては効率は良くないです。

必要な設備が整っていて、集中でき、生産性高く仕事が出来る場所はフリーランスにとってとても大切!海辺のカフェで仕事しているオシャレなイメージなどありますが、日差しでモニターが見づらいし、砂が飛んでくるし、全く効率が上がらないというのが現実です。効率よく稼ぐために、自分にとって働きやすい環境作りを行いましょう。

フリーランスのオフィス事情

子育てをしながらフリーで仕事をしたいと考えるフリーランスの場合、自宅が第一の仕事場候補になるでしょう。他にも、カフェやコワーキングスペースを利用したり、オフィスを借りるのも選択肢に入ります。

フリーランスとして独立したばかりでまとまった資金が確保できていない時点では、まず自宅で働くことから始めるのが無難です。

自宅オフィスで働くフリーランスが多い

「フリーランスの実態に関する調査」によると、フリーランスの約6割が自宅を作業場にしています。

事業を行う場所が「自宅の居室」と回答する割合をみると、フリーランスは61.1%にのぼり、多くが在宅就業である

「フリーランスの実態に関する調査」2018年日本政策金融公庫

フリーランスの登記に事務所を登記する必要はない

事業を行うにあたり、法人を設立した際は「法人登記」として法人名、設立年月日、住所、事業内容などの登記が必要とされていますが、フリーランスの場合は法人登記は必須ではなく「開業届」のみで問題ありません。

CHECK

稼げるフリーランスになるためには効率よく仕事できる環境づくりが不可欠
フリーランスの6割は自宅をオフィスにしている
フリーランスの場合住所を登記する必要はない

フリーランスのオフィスの選択肢とメリット・デメリット

フリーランスで働くにあたって、打ち合わせや作業に集中できるスペースの確保をしておきたいものです。働く場所の選択肢として、自宅、シェアオフィス、カフェなどがあります。

カフェに関しては騒がしかったり席が確保できない可能性があるので、あくまでサードプレイスとして使いましょう。

フリーランスのオフィス選択肢としては、自宅をオフィスとして利用するパターンと、自宅とオフィスを分けるパターンの2つです。それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

通勤の必要がなく時間を有効活用するには自宅オフィス

自宅をオフィスにする大きなメリットは、コストがかからない点と、移動時間が無駄にならない点です。

自宅オフィスのメリット

コストをおさえられる
オフィスを別に借りる費用や交通費をおさえられるだけでなく、自宅の賃料や光熱費の一部を経費として計上可能です。

時間が有効活用できる
オフィスまでの移動時間が不要なので、仕事ができる時間がその分多く確保できます。自宅にいればランチなどの食事も簡単に用意出来るので、時間とお金の節約につながります。

柔軟な働き方ができる
仕事の合間に家事や育児・介護ができ、両立しやすいのが自宅オフィスです。お子さんが学校から帰って来て家でひとりでお留守番しなければならない、ということもないので働く親としては安心です。

自宅オフィスのデメリット

仕事とプライベートの切り替えが難しい
仕事とプライベートを同じ空間で行うため、オン・オフの切り替えがしづらく長時間働きがちになり、体調を崩すことにも繋がります。ジョギングや散歩で外に出る時間を作るなど、積極的に気分転換のルーチンを作る事が大切です。

集中力の維持が課題
仕事に向いていない椅子や机で仕事をすると身体が痛み、集中力が続きません。見える範囲内にテレビがあるなど集中をさまたげるものがあるのも仕事の邪魔になります。また、同居されている家族がいる場合、なかなか集中しづらいのが自宅で働くデメリットです。

孤独感につながりやすい
フリーランスは基本的に1人で仕事をするわけですが、自分から積極的に外に出て人脈を作らないとなかなか輪が広がりません。1日中自宅で仕事をしていると仲間ができず、孤独感につながります。

個人・複数人で集中できる作業環境にはレンタルオフィス・シェアオフィス

レンタルオフィス・シェアオフィスは、自分専用の作業スペースを確保できる場所です。個室や個人ブース単位で契約できるレンタルオフィス、共用スペースをシェアして使うシェアオフィスがあります。

レンタルオフィス・シェアオフィスのメリット

プライバシーの確保ができる
レンタルオフィス・シェアオフィスの住所や電話番号はビジネスで利用することが可能です。自宅の住所やプライベートの電話番号を公開せずにプライバシーを守りながら仕事をすることが出来ます。

ビジネス用住所として使える
例えば渋谷や六本木のレンタルオフィスを契約すればその住所を会社の所在地として表記でき、社会的信用度が上がります。

レンタルオフィス・シェアオフィスのデメリット

比較的高コストである
立地やサービス内容により異なりますが、レンタルオフィスを借りる場合は月額3万~10万円前後の費用が掛かります。売上計画と照らし合わせて支払い可能な範囲内で探しましょう。

契約期間の縛りがある場合もある
契約期間が短期で、即入居可能なのがレンタルオフィスの売りですが、契約期間の縛りがある場合もあるので契約時にきちんと内容を確認しましょう。

他フリーランスとの交流の機会も期待するならコワーキングスペース

コワーキングスペースはシェアオフィスと似ていますが、利用者間の交流を重視している場を指し、人脈づくりの場としても適しています。

コワーキングスペースのメリット

人脈が広がる
新しい出会いや人脈作りが出来るのがコワーキングスペースの大きなメリット。様々な業種の人と交流ができ、新たなアイデアやビジネスチャンスにつながります。

快適な作業環境がある
高速インターネット、プリンター、会議室、カフェサービスなど、自宅オフィスでは実現できない設備が整っているのが魅力です。

柔軟な利用プランである
コワーキングスペースはレンタルオフィスと比べて柔軟な契約プランが用意されており、必要に応じて短期間から長期間まで利用が出来ます。

コワーキングスペースのデメリット

月額の固定費用がかかる
レンタルオフィスよりもリーズナブルですが、コワーキングスペースを利用する場合、月額5,000~3万円程度かかります。

話し声が気になる人には不向き
コワーキングスペースは会話OKな場所であるため、常に誰かしらの話し声が聞こえます。静かな環境でないと集中できない方には向かない可能性が高いです。

CHECK

コストを抑えて時間を有効活用したい場合は自宅オフィス
設備やプライバシーを重視する場合はレンタルオフィスやシェアオフィス
人脈作りも行いたい場合はコワーキングスペース

フリーランスのためのオフィス選び・作業環境作りのポイント

フリーランスにとって効率的に働く環境があるかどうかは売上を左右する大切なポイントです。自宅ではどうしても集中できない場合は、オフィスを借りることも検討しましょう。

立地・アクセスがよいか

家からのアクセスの良さ、利便性は重要です。対面での打ち合わせは昨今少なくなっているので、クライアントとの打ち合わせ場所としての利便性ではなく、自分自身が通いやすい場所を優先して考えましょう。

継続して利用ができる範囲の費用であるか

家賃を含む経費が売上を超えると赤字になるので、月々の費用と売上金額のバランスを考慮して物件を決めましょう。

コワーキングスペースの利用料の目安は月額5,000~3万円程度、オフィスの家賃は3万~10万円前後とさまざまです。

自然光が取り入れられているか

健康的な働き方を実現するには「自然の光」のある環境が必要だと、“Harvard Business Review” 誌で「The #1 Office Perk? Natural Light」として取り上げられました。

自然光のもとで働くことにより、目の疲れが軽減され、良質な睡眠がとれるという研究結果もあります。

静かな環境で集中力を高めるられるか

シェアオフィスでは、他の利用者のオンライン商談が聞こえてくることもあります。ある程度の音があったほうが集中できる人もいれば静かなほうが良い人もいるので、好みの問題ですが、自分自身が集中できる環境が確保できるかは要確認です。

集中ブースや個室ブースがあるシェアオフィスもあるので設備も確認しましょう。

長時間座っても疲れない椅子などがあるか

椅子、モニター、プリンター、スキャナー、デスクライトなど、仕事がはかどる設備が整っているかどうかも忘れずにチェックしましょう。特に椅子は座り仕事がメインのフリーランスにとって大切な存在。

疲れにくい、姿勢が悪くならない、クッション性がある、など様々な椅子がありますので、自分に合った椅子があるところが良いです。

オンライン会議に対応した設備があるか

フリーランスはオンラインで商談や打ち合わせをする機会が多いので、落ち着いてオンライン会議が出来る場所を確保しましょう。

シェアオフィスの場合は予約制でブースを借りられるオプションを設けているところが多いです。

リラックスできる休憩スペースがあるか

フリーランスが集中力を持続させるためのメソッドは様々なものが紹介されていますが、共通するのはきちんと休憩時間を取ることです。

自分の集中ピーク時間を確保すると同時に、リラックスする場所と時間をきちんと確保することも生産性アップにつながります。

他の利用者との交流の機会があるか

フリーランスは自分でチャンスを取りに行くことでビジネスチャンスが広がります。

他のフリーランスの方と協働したり、新しいクライアント開拓につながる交流の機会は積極的に利用したいです。

フリーランスがオフィス・作業環境を作る流れ

フリーランスが働く環境整備にはまず、どこを拠点にして働くのかを決めましょう。

自宅で働く場合の流れ

  1. 仕事用のスペースを確保
  2. デスクや椅子など仕事用のものを新調
  3. モニターやプリンターなど作業に必要な機器を設置
  4. 住所や電話番号を公開したくない場合はバーチャルオフィス併用も検討

オフィスを構える場合の流れ

  1. オフィスの用途を整理し、目的に合った場所を探す
  2. いくつかのオフィスをドロップイン利用し雰囲気を確認
  3. 必要書類を準備して契約をする
  4. 仕事用に必要な機器がプラスで必要であれば設置

オフィス選びはまず実際に内覧に行って検討する

場所と値段だけで決めるのではなく、家と同じようにオフィスもまず内覧に行きましょう。

ドロップインや体験などで1日過ごし、入居者層や雰囲気、BGMの音量、インテリアや設備などを実際に自分の目で確認します。いくつか内覧し、ここなら仕事がはかどりそう、と思ったところに決めます。

作業場だけ欲しい場合はオフィスのサブスクサービスも一手

場所や人脈作りにこだわらず、いろいろなところで作業が出来るようにしたいという場合には、サブスクサービスがあります。

提携する全国のワークスペースを使い放題で利用できるプランで、自宅以外のワークスペースを持ちたい方におすすめです。

ATTENTION

サブスクサービス「NIKKEI OFFICE PASS

フリーランスのオフィスは自宅の場合も家事按分で経費化できる

フリーランスが自宅の一部をオフィスとして使う場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上することが出来ます。

家事按分の対象となる主な費用項目としては、家賃、水道光熱費、通信費、交際費、交通費などが挙げられます。確定申告の際には忘れずに計上しましょう。

自宅での作業環境を整えつつも他者との交流の機会は大切に

自宅の一室を自分好みにカスタマイズして環境づくりに投資するなり、オフィスを借りてオンオフのメリットを付けて働くなり、自分なりの働きやすい環境を見つけていきましょう。環境や設備といったハード面の働きやすさだけでなく、人とのつながりのソフト面も実は大切なポイント。自宅で働いてもオフィスで働いても、コミュニティに属しておくことをおすすめします。

CHECK

オフィスに求める条件をまず整理すること
効率的に働く環境に欠かせない条件も整理し、自分にあったオフィスづくりをする
作業場所だけ欲しい場合はサブスクサービスもある
他者との交流の機会はいつまでも大切にする

フリーランスとして効率的に稼ぐためには生産性の管理が必要です。自分が効率よく働きやすい環境を積極的に作り、投資を惜しまないようにしましょう。

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